「今年の越後妻有」新作のご紹介②

「部屋とピアノの為のコンポジション「偽ハルモニア論」」 安野太郎

「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2021」は延期となりましたが、越後妻有『上郷クローブ座』には2点の新作が追加されました。

 

Photo by Kioku Keizo

慣習として、音楽の発表の場では、限られた上演時間があり、その作品の時間と空間を鑑賞者が共有します。美術展示では、上演時間は無く、それぞれのタイミングで自由に鑑賞し、人々は作品と空間を共有します。そこに時間の共有は生まれません。このように、音楽会と美術展示では、時間と空間の在り方が異なるのです。

これまで音楽の在り方を模索してきた作家は、自動機械による演奏を展示することによって、美術展示という空間のなかで音楽を成立させる試みをおこなってきました。そしてそれらの作品を通して、人間社会と機械の関係性を問い、自動演奏機械のための楽曲を生み出してきました。

その取り組みの新たな展開として、本作は自動演奏機械ではなく「作曲する人間」を展示します。音楽の構造が暗示されている部屋の中で、延期された本番のための音楽を作曲しつづけます。

新しくなった越後妻有「上郷クローブ座」へ皆様ぜひお越しくださいませ。

投稿者clove-theatre