「今年の越後妻有」新作のご紹介③

「1/2 Step House 半歩屋」ラム・ドンパァン(林東鵬)

「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2021」は延期となりましたが、香港ハウスにて新作が公開されました。

 


Photo by Kioku Keizo

パンデミックはどのようにクリエイティブなアイディアを現実にしていくのかということに関して、未曾有の不安をもたらしました。しかし、作家のラム・ドンパァン(林東鵬)はともすれば不利なその状況を好機と捉え、作品の主なテーマに組み込みます。さまざまな状況の変化の中、作家は自身の拠り所は自らのアイディアを実現するという欲求のみであると考えました。

「1/2 Step House 半歩屋」には保全するという感覚が、テーマとして深く根差しています。この作品は主人公が香港ハウスへの旅を夢想する様子を描いたものです。しかし、その制作の過程で作家は実際に津南の地に訪れることができませんでした。そのため、この場所を文章やインタビュー、ネット上の情報やその他の二次的情報を通して知ることしかできませんでした。それを補う想像の重要性を強調すべく、作家は二種類の手法を駆使し空間の模様替えをするという実験的な手段を取りました。室内空間の半分は言葉や音楽、グラフィックに映像、その他の要素を織り込んだ景色です。相対するもう半分の空間は完全に空洞(意図的な虚無)で、空間の完成を鑑賞者の想像に任せます。

新しくなった香港ハウスへ皆様ぜひお越しくださいませ。

投稿者clove-theatre